【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「諒ちゃん、いいでしょ?…木崎さんは瑞希の恋人なんだしそれに瑞希の事、凄く心配なんだよ。諒ちゃんだってもし瑞希と私の立場が逆だったら、傍に行きたいって思うでしょ?」
そうだよね?
期待を込めて諒ちゃんをジッと見ると、瞳を大きく見開いた諒ちゃんと視線がぶつかった。
暫く私を見ていた諒ちゃんが大きくため息をつく。
そして諦めたような顔をしながら、木崎さんに顔を向けた。
「しょうがねぇな。一緒に行くか?」
「すまねぇ」
「そのかわり瑞希をシッカリつかまえろよ」
「ああ、ゼッテェ瑞希を連れ帰る」
そう言った木崎さんの顔は決意に満ち溢れていて、諒ちゃんには内緒だけどとってもかっこよかった。