【完】人形達の宴~通りゃんせ~


「もういいよ、歩こうッ!」


力強く言った私の言葉に、男二人からの返事が全く聞こえない。




「木崎さんッ!瑞希はどうやって村まで行ったと思いますか?タクシー?バス?そんなのここにはないですよね?って事は歩きですよ、歩きッ!瑞希は歩いたのに、木崎さんは歩かないんですか?」


「…行く」




瑞希の名前を出すと途端、目に力を宿らせ力強く歩き出した。


私達を置いて---





「ちょ、待ってよ」


そんな木崎さんの後を慌ててついて行く私の後で、大きなため息一つついてから諒ちゃんも歩き始めた。




今は三時ちょっと過ぎたところ---




大丈夫。


時間はまだある…、




………………はず?


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