【完】人形達の宴~通りゃんせ~


「マジか?」


「はい」



「何でそんな大事な事、早く言わねぇんだよアホッ!!!」


「アホ?ヒドイ!」


へたり込んでいた木崎さんが勢いよく立ち上がると、私の目の前まで来て怒鳴り散らす。




うるさい…。


後、ちょっと顔が近いよ?




あまりにも目の前まで木崎さんが来たものだから、少しばかり仰け反ってしまった。





「………へっ?!」


「木崎、結衣に近づくな」



突然、私の腕を取られたかと思ったら後ろから抱き込まれてしまった。


諒ちゃんの香りに包まれ、ホッと胸を撫で下ろす。



「諒ちゃん」


「別にコイツの事なんか」


「結衣…、俺以外見るなよ」



興奮したように話す木崎さんの事なんかお構いなしに私の肩に頭を乗せ、そうポツリともらした。





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