【完】人形達の宴~通りゃんせ~
辿り着いた場所。
そこは森の中で静かにひっそりと佇んでいた、薄暗い神社だった。
あまり参拝する人はいなさそう…。
それが私の感想で本当に手入れ等、全くしているようには感じられない荒れ果てた神社だった。
細い参道を皆で歩いて行く。
鳥居前には、春日井天神社と書かれている石があった。
それをチラッと見ながら古めかしい鳥居を潜る。
真っ直ぐ前を見ると、本殿の斜め前に少し大きめの建物があった。
「皆さんご存知かとは思いますが、ここは通りゃんせって言う童謡が舞台となった神社なんじゃよ」
「あぁ、やっぱりそうですか。小さい頃、音楽の授業で先生が言っていたのを覚えています」
「そうですか」
歩きながら後ろを振り返る村長さんに、諒ちゃんが笑顔で受け答えをする。