【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「俺は…、行かない」
「何で?瑞希を助けに来たんじゃないの?」
「俺が行ったところで瑞希が迷惑するだけだろうし…、出来れば瑞希に嫌がられたくない」
この後に及んで何とも気の小さい事を…。
本当は瑞希に会うのが怖いだけなんじゃないの?
「いいんですか?私達だけで行っちゃいますよ?」
「…ここにいる」
そう言った木崎さんは少し離れた大木の下に座り、私達から顔を背けるように横を向いてしまった。
いじけたような木崎さんに、ため息がこぼれる。
いつもの強気は一体、どこに行ったのよ?