【完】人形達の宴~通りゃんせ~
では…、
と、扉の前に私と諒ちゃんが立った。
ガタッガタッ---
「かたッ!」
古い建物だからなのか、それとも元々の建付けが悪いのか?
開かない扉に痺れを切らしながらも、諒ちゃんは頑張って扉を開けようとした。
私も手伝いたいんだけど扉の前は一人分しか入るスペースがないから、ただ私は黙って諒ちゃんを見守るだけ。
「頑張って、諒ちゃんッ!」
「お前…、手伝えよ」
「そうしたいんだけどこれ以上、扉の前に人が入る余裕なさそうじゃん」
ペロッと舌を出すと、思いっきり諒ちゃんに睨まれてしまった。
そんな諒ちゃんに、ゴメンと謝りながらへへっと笑ってみせる。