【完】人形達の宴~通りゃんせ~
九章 手を伸ばすその先
お堂の中に一歩入った瞬間…、
ヒヤリ---
と、まるで今までの世界とは違う空間へと入り込んだような、そんな寒々とした空間がそこには広がっていた。
一気に総毛だった私は身体を温めるように、手で腕を擦る。
それでも寒い…。
「りょ、諒ちゃん…」
急に怖気づいてしまった私を宥めるように、諒ちゃんが私を引き寄せた。