【完】人形達の宴~通りゃんせ~


「村長さん、…それって」


ヒクリと喉が鳴る。




多恵の視線のその先、それは---




村長さんがニヤついた表情で持っていたのは、農具で使用している平たい鉄の刃が鈍い光を放つ『鍬(クワ)』だった。





「これかい?これは鍬だねぇ」


「何でそんなの、持ってるの?」




ここは神社だ。


鍬とは畑で使用するものであって、神社で使用する物ではない。




そんな物をここに持ってくる何ておかしい。





小さいながらに嫌な予感が脳裏を過ぎり、村長さんから一歩一歩と後ずさる。


< 446 / 611 >

この作品をシェア

pagetop