【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「クッ…、クククククク………」
「村長さん?」
「多恵ちゃんは選ばれたんじゃよ。喜びなさい」
「選ばれ…た?」
普段とは違う低く這うようなその声が、いつもの村長さんとは違うような気がする。
何でそう思ったんだろう?
自分でもよく分からないけど…、
怖くて村長さんの顔を、まともに見る事が出来なかった。
「おめでとう…、多恵ちゃん」
瞬間、鍬を持ち上げ目と口を大きく開いた村長さんが視界に入る。
その瞳は酷く黒々としていて、その漆黒の闇に吸い込まれてしまいそうだ。