【完】人形達の宴~通りゃんせ~
もしかして…、
あれは私の身体なの?
その身体はすぐに、血で染まっていった。
目の前のその光景に怖い…とそう感じる半面、徐々に霧ががかってゆく思考と視界に意識が朦朧としてゆく---
「………か…………んッ」
母ちゃん…、
ごめんね---
栗ご飯…、
食べれそうに…ない………や………
一人は…嫌だよ…………
怖いよ…、
母ちゃん………
助け…て………---
徐々に薄れてゆく多恵の脳裏に最期に浮かんだのは、母ちゃんと一緒に栗ご飯を食べている映像だった。
それはとても幸せな団欒の図に、多恵は口元に笑みを零しそしてそのまま暗い闇へと引きずり込まれていく。