【完】人形達の宴~通りゃんせ~
『ジャァ ソロソロ イクヨ~』
カランッ---
人形の後ろからソロソロ…と、薄気味悪く浮かび上がるそれは…。
「鍬(クワ)?」
村長さんがここに来るときに持っていた、刃先が妙にギラギラしていた鍬だった。
『オネエサンモ ボクタチト オナジヨウニ クワデ クビトドウタイヲ マップタツナンテ ドウ?』
「…絶対にイヤ」
思わず自分の首に意識を向ける。
本当は自分の首を守るためにも手を首に持っていきたかったけど、金縛りにあってしまった私にはそんな事は出来なかった。
首と胴体が離れ離れになるなんて、真っ平ゴメンよッ!
と言っても私の話しは受け入れてくれないのか、ゆっくり動いた刃先が私へと不気味に方向転換していく。