【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「待てッ!」
その言葉と同時に横たわる瑞希と私の前に現れたのは…、
肉体を持った木崎さんだった---
瑞希もそうだけど、透明だった二人はいつの間に肉体を持つ事が出来たんだろうか?
そう思いながらも心強い見方の登場に、嬉しくなったのは当たり前だろう。
私は一人じゃなかったんだ!
「き、木崎さんッ!」
「瑞希にとって大事なヤツに何かあったら、瑞希に合わす顔はねぇ。絶対、お前を守ってやる」
そう言った木崎さんは、すぐさま私の髪の毛を押さえつけていた人形達を払いのける。
そしてその場からすぐに移動しようと私の手を取り立ち上がらせた木崎さんは、私を引っ張る。
しかし私はあまりにも怖かったのか足に力が入らず、その場に座り込んでしまった。