【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「大事にする。本当にありがとう、結衣」
ペンダントについているムーンストーンの石をギュッと握った瑞希の瞳からツーッと一滴、涙が零れ落ちた。
その涙は真珠のような…、
ううん、まるでムーンストーンの石のように凄く綺麗で思わず見入ってしまった。
「よし、行くか」
「そうだね」
「まずはこの血だらけの身体を何とかしないとな」
血だらけの自分の服を見ながらそう言った木崎さんに、瑞希はフフッと笑いながら木崎さんの手をキュッと握る。
「じゃ、行こっか」
木崎さんの手を引きながら歩き始めた瑞希の足取りはとても軽く、その後姿にホッと息を吐いた。
瑞希とまた、仲良く話せる事が出来て本当に良かった。
ボンヤリ瑞希を見ながら、そう思っていたら急に手を引かれた。
はっと横を見ると、諒ちゃんが私を見て微笑んだ。