【完】人形達の宴~通りゃんせ~
今日はたまたま神社の草でも刈ろうか…と思い、ここに来ただけの事。
自身は別にこの神社を守るものでも何でもなく、この村に住む五十台前半の男性である。
子供はみな独立し夫婦仲良く田畑を耕しながら、ひっそりと暮らしていた。
見上げていた時に、ふと思った事。
そういえばここ最近、村長さんを見かけないな…と---
村長さんはよくこの神社に来ていたからもしかすると、この惨状となってしまったお堂と村長さんがいなくなった事に何か関係があるのではないか?
そう思いながらしばらくそのまま、なくなってしまった屋根部分を見上げていた。
「………?」
ふと気配を感じ、そちらへ視線を向けると---
「あれは…、何だ?」