【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「お邪魔しました」
「結衣ちゃんも、今日は本当にどうもありがとう」
そう言ったおばさんはすぐにまた、人形へと視線を向けた。
ペタリと座り込んでいるおばさんの背中は、とても寂しそうで痛々しい。
そんなおばさんを残し、階段を下りた私達はそのまま玄関を出た。
だから気づかなかった。
おばさんの人形を見ている様子に---
この時、おばさんの様子に少しでも気付いていれば、もう少し早く何かが分かったのかもしれない。
そう思ったのは、もう少し後の事---