出会いの本〜出会えてよかった〜


教室に戻った私。

そんな私に向けられる女子達の痛い目線。

前向いとけよ

どうやら、時間にルーズなうちの担任はまだ来ていないようだった。

そして、私が席に着いたと同時に担任が教室の前の方の扉から入ってくる。

おっさん(担任)に続いてそれはそれは美人な方が入ってくる。

それが噂の転校生らしい。



担任が簡単に説明する

「えー。名前は崎山響子さん。御両親の事情でこんな、ど田舎に引っ越してきたそうだ。」

それだけ説明すると崎山響子さんに前に出るように促す。

それを嫌がるそぶりもなく少し前に進み出る崎山響子さん。

あぁ!もう崎山さんでいいか。

「崎山響子です。これからよろしくおねがいします。」

簡単な自己紹介だった。

でもそれには印象付けるものがあった。

それは容姿と声。

容姿は、ザッ•大和撫子!

声は、なんだか…

すごく綺麗な声なんだけど、本当の自分を隠してるような。


初対面の人をそこまで詮索するものではない。


教室中から拍手が巻き起こる。

その拍手は大歓迎と言っているようだった。

男子たちは目をキラキラさせている気がする。

簡単な奴らだよ。全く。




やはり予想通り席は私の後ろだった。

崎山さんが私の横を通り過ぎる。

あれ?なんか、嗅いだことある匂い。

あ、なんか気持ち悪いな、私。

匂いなんてかいだりして。


うしろから今にも消えてしまいそうな儚いけどしっかりとした綺麗な声が聞こえる。


「よろしくね、美冬さん」

なんで名前を知ってるんだろ

「あ、よろしくです」


私は彼女に疑問となんかいい人

っという第一印象を抱いた。
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