出会いの本〜出会えてよかった〜


章一さんの言ったとおり衝撃でしかなかった。

まぁ、専門用語みたいなのは置いといて


いままでずっと行方不明だった父親の行方が分かったから。


そりゃ、自分の血の繋がった人の行方。

お母さんがずっと探し続けてた人物の行方なのだから。


呪いって何?解く?私と水守が?


で、私の思い出さなきゃならないことって?

わかんない。

たぶん、私がお父さんの過ごした3年間のことなんだと思うけど、昔のことすぎて思い出せない。

いや、なんか思い出しちゃダメな気がする。

記憶を振り返ってみる。

頭痛がするくらい昔のことに思えた。


あ、なんか本当に頭痛くなってきた。

「うっ…」

左半分の頭が痛い。

「大丈夫か?」

「大丈夫。ちょっとだけだから」


にしても…

水守門だっけ?

の向こうから来た人たちのことを、隼汰がやけに嫌っていることがわかる。

あいつら

って。

たぶんこれは聞いちゃいけないことなんだと思うけど、思い切って


「水守はさ、向こうの人たちのこと大っ嫌いなんだよね?」

間髪入れず

「あぁ」

「それってなんで?」

「あいつらに家族全員殺されたから。」


その口からあっさり出てきた言葉はあまりにも、信じ難い言葉だった。

え、でも、章一さんは?

「章一さんがいるじゃん?」

あぁ、と呟く

「じぃちゃんはもう死んでる。でも霊体で俺の世話してくれるんだ。」

はぁ…

もうなんでもありな気がする。


ということは、実際には水守は一人暮らしなんだ

「そうなんだ。でも私も見えてるのは、お父さんのおかげ?」

「そういうことになるな」

ふーん…

章一さんはもうこの世にいなかったんだ。

だから、私の家族達が目撃した時なは私と水守だけだったんだ。


水守……


私はこいつを支えなきゃならん気がした。

余計なお世話かもしれないけど。


あっ…

水守家の人、まだいるんだよね?

そういう風に言ってた気がする。


「残りの水守の人たちは?」

「みんな、あっちにいる。俺はそいつらが戻って来た時のためにここをも守ってなきゃいけないんだ」

じゃあ、こっちにいるのはコイツだけなんだ。
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