出会いの本〜出会えてよかった〜
金切り声にも似た私の声が周囲に響き渡る。
でも、私が助けを求めた人物は現れようとしない。
求めた私が悪いのかな?
それとも、期待させたあっち?
いや、勝手な期待だったんだ。
迫ってくる黒い影
のそのそと、もったいぶるかのように、ゆっくりと。
恐怖を煽ってるのか?
悪趣味な奴らめ。
「ちくしょう……」
私の口から溢れた言葉。
何がちくしょうなのかはわからない
呼んだのに来てくれなかったのがショックだったってこと?
そう呟いた言葉は突然吹いた風にもみ消される。
突然の強い風。
目も開けられないほど
でもそれは一瞬で
目を開けるとそこには
「待たせたな」
まるで、○面ライダーのような、現れ方をした
水守隼汰だった。