出会いの本〜出会えてよかった〜
ほんと、なんだったの?
私の胸は騒ぎっぱなし。
私は教室の窓側の1番後ろの席で考える。
こんな日に限って転校生?
それは、私の後ろに用意されたもう一つの机が物語っていた。
ツイてないのかな…
すると、廊下から黄色い歓声が聞こえてきた
「きゃーーー♡」
「なんでこんなところにいるのー♡」
新種の可愛い小動物でも見つけたか
「隼汰くぅ〜んっ♡」
は?隼汰?
って、水守のこと?
黄色い歓声が近づいてくるのがわかる。
ってことは…
噂の隼汰くんか?
すると、3組の教室の扉がすごい勢いであく。
ガラガラッ
随分と雑な開け方。
音の方を見る。
そこには疲れきった水守の姿があった。
ほぉ…。隼汰くんが何の用かな?
水守は教室を見回して、私と目が合う。
すると私の方にズンズンと近づいてきて、
ぜぇはぁぜぇはぁさせながら
「おいっ…はぁ…ちょっと来いっ」
はぁ!?
周りからえぇ〜!という女子達の声が聞こえる。
それはこっちのセリフだ!
「えっ、いや…、私は用ないんだけど」
有無は言わせない形相。
ほれほれ、折角の美形が台無しだよ。
イケメンさん
「あぁ?」
昨日とは大違いの低い声。
これは従わないとヤバイ。
「はいっ…すいません…」
私は首根っこ掴まれて連行されたのであった。