ひらり、舞う、恋
翌日ーーーーー





いつもより早起きして二人分のお弁当を作った。
お母さんが何か聞きたそうな顔をしてたけど、さらっとかわして……






今日だけは遅れるわけには行かない。
駅のホームで電車を待ちながら、ささっと髪を整えた。






電車が見えたーーーーー
近付くと共に、私の鼓動も加速する。
佐瀬くんは、もう乗っているかな……?








ドアが開き満員電車の中に入ると、ドアのすぐ脇に佐瀬くんが立っていた。
バチっと目が合うと、恥ずかしくてちょっと俯きながら挨拶をした。




「おはよう…ございま…」




言い終わらないうちに、佐瀬くんに腕をグッと引かれる。



「ひゃっ…」



一瞬何が起きたかわからなかった。




「こっちなら潰されないから。」






佐瀬くんが、壁際と場所を代わってくれたのだ。






「ありがとう…ございます…」





やっぱり優しい人なのかな…?



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