ひらり、舞う、恋
「じゃー今から敬語禁止な。」



「え、はい…」





佐瀬くんは呆れた目をしながら再び言った。




「禁止。」




「うん…」






話すのでやっとなのに、これはなかなかハードルが高いよ………








そのとき、キィィーッという音と共に急ブレーキがかかった。





佐瀬くんがこちらに寄り掛かってきた。




「わり…俺が潰した…」




悪戯っぽい笑顔を見せる。




「うん、大丈夫だよ…」




小声でそんな返事をしてみたものの、大丈夫なわけがない。






さっきまで保っていた二人の距離、それでもかなり近かったのに、今は完全に密着している。






どうすればいいの!
顔が熱すぎる…もう…倒れそうっ……





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