ひらり、舞う、恋
「部屋入っていい?」





「いいけど…、いつも言ってるけど、来るときメールとか連絡してよね?」





「何で今更?すぐ行けるからいいんじゃん。」





柊ちゃんは悪びれた様子もなく笑っている。
わかってないなぁー!むしろわざと?





「だから、着替えてるときとか入ってこられたら困るし…」





口ごもると、柊ちゃんは開き直ってこう言った。





「昔から一緒に風呂入ったりして裸見てるんだし、今更何とも思わねーよ。」





私は顔を真っ赤にして柊ちゃんの背中をポカポカ叩いた。





「ばかぁ!昔と今じゃ違うでしょー!」





叩かれてるのにケラケラ笑う柊ちゃん。
いつもこんな感じ。







ふと時計を見ると、もう家を出る時間になっていた。





「ごめん柊ちゃん!私、先に学校行くね!」




「えっ、お前最近家出るの早くない?たまには一緒に行こうぜー、隣なんだし。」




「とりあえず今日は急いでるから!」





そう言い残して慌てて部屋を出た。







「かれん、なんか強くなったなー。」




そう呟きながら、残された柊はクスッと笑っていた。














< 22 / 32 >

この作品をシェア

pagetop