ひらり、舞う、恋
「うん、母さんの手作りって言っといた。俺は別に桜井さんの手作りって言っても良かったんだけどね?」



「それだけはやめて!」




慌てる私の顔を除き込む。




「そんなに俺のこと嫌い?昨日も迷ったんだよ、B組まで弁当箱返しに行くか。でも桜井さん俺のことすげー警戒してるっぽいからやめといたよ。」





「嫌い…とかじゃない、よ…。違うけど、ほら、佐瀬くんのこと好きな女の子たちたくさんいるし、何か迷惑かけたら悪いし…」




必死でそう言い訳するけど、実際は私が臆病なだけなのだ。





「何も迷惑じゃないでしょ?俺別に彼女いるわけでもないし、何か悪いことしてるわけでもないし。」




「う…ん……」




どう返していいのかわからない。







「まぁー、とりあえず嫌われてるわけじゃないならよかった!てか、嫌われてたらまた同じ電車乗ったりしないよな?」





そうです、佐瀬くんに会うためにまた同じ電車に乗ったんです。
そんなこと言えるわけもなく。
素直に言えたらかわいいんだろうけど…




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