ひらり、舞う、恋
なんとか遅刻せずに学校に間に合った。
ギリギリで駆け込んでくる生徒も多いから、この日ばかりは佐瀬くんと一緒でもさほど目立たなかった…はず。






「はぁ、はぁ…。先生まだ来てなくてよかったぁー。」




「かれんがギリギリなんて珍しいね。」




そう言いながら杏里ちゃんは私の乱れた髪をサッと直してくれた。





「つーか、かれん。お前早く家出たのに何で俺より遅いんだよ?」




「そ、それは…ちょっと寄るところがあったの!」




柊ちゃんの突っ込みに慌てて返すものの、まだ彼は怪訝な顔をしている。




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