ひらり、舞う、恋
それから佐瀬くんから特に返信はないまま昼休みを迎えた。





今日の朝の出来事をまた包み隠さず杏里ちゃんに伝えると、うんうんと興味津々で聞いてくれる。
私ももう恥ずかしいというより、話を聞いて欲しくて仕方ないのだ。






「なんか本当に前進しすぎだよね!」




「わからない……。ねぇ杏里ちゃん。佐瀬くんって、やっぱり女の子の扱い慣れてる感じだよね?私もからかわれてるのかな……」




「んー…」




杏里ちゃんは腕を組んで、何か思い出しているようだ。




「確かに佐瀬は中学の時もかなりモテてたけどさ、チャラかったわけじゃないよ?それに女子とたくさん話すタイプってわけでもなかったし。」




「そうなの……?」




「うん、だから大丈夫だよかれん!!」




杏里ちゃんは目を輝かせていた。




「大丈夫って……何が?」




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