ひらり、舞う、恋
「で、助けてくれた人って?」





今朝の出来事を、すぐ後ろの席に座っている吉原杏里に話した。
杏里ちゃんは高校に入ってからできた初めての友達だ。
明るくていつも元気な自慢の友達。





「それがね、実はーー」



耳元でこそっと報告。
なのに……



「ええぇっ!!」



クラスのみんなが注目するくらい大きな声を出す杏里ちゃん。
慌てて口を塞ぐと、今度は顔を近付けて小声で聞いてきた。




「佐瀬って…あの、佐瀬功大?」



「うん、そうなの…」



佐瀬功大くんは、うちのクラスB組の隣のA組で、ルックスが良くて目立つのでいつも女の子たちにキャーキャー言われている。
全然接点はなかったけど、人気者なので顔と名前くらいは私でも知っていた。



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