【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
SCENE 4
翌朝、鏡の前に立つと腫れは大丈夫のようだ。
顔を洗い、触ると痛いがコンシーラを使って丁寧に痣を隠した。
上からファンデーションを重ねると
「た…多少はいいかな?」
かなり無理もあるがマスクをするので大半は隠れる。
フラワーショップに出勤するとすぐに
「風邪?」って言われたけれど
「転んでぶつけた」っていうと
「手は出なかったの?」なんて呆れた声で言われ
「手をつく前にあった棚に強打した」と話したら痛そうな顔しながらも笑ってた。
開店の準備が終わり、佐和子さんの家へ行く準備を整えはじめた。
佐和子さんの家へ着き、門が開いてから車を停めて
バックミラーで一度痣の状態を確認してから車を降りた。
いつものように
「おはようございます」と声をかけると
「おはよう」
佐和子さんが出てきた。
「あれ…結衣ちゃん風邪?」と心配顔で
置いてあるスリッパに履き替えながら
「それが転んでぶつけちゃってひどいことに…」
リビングへと歩きながらそう言うと
「どれ見せてごらん」とマスクをちょっと下げられた。
「うわっ…」
「何…結衣ちゃん怪我したの?医者行った?」
やはり由香里さんが来ていて私の頬を見ると顔を歪めた。