【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
いつもお邪魔する部屋よりもっとずっと奥まで行き階段を上がった。
本当に広い家だ。
立ち止まりドアをあけると
和室じゃなくて洋室で、そっとベッドにおろされた。
パタパタと由香里さんの足音がして
「ちょっと何であんたの部屋に連れていくのよ」
由香里さんの言葉で、ここが隼の部屋だとわかった。
「落ち着くまでいいだろ」
「まぁそれもそうね。結衣ちゃんの部屋、隣にするから。足りない家具とかあんた見てやってね。それからこれクスリ。じゃあ連絡とかあるからあと頼んだわよ」
「あぁ」
「結衣ちゃん、あとでまた顔だすね」
「はい。ありがとうございます」
私は由香里さんの顔を見ながら口を動かした。
ドアが閉まると
隼がネクタイとスーツの上着を脱ぎ
きちんとかけて偉いなって目でおいながら思った。
隼が身体を起こしてくれた。
自分で座ることが出来たから腰が抜けたままではないらしい。
薬を私の手のひらに乗せるとグラスに入ったコップを手渡してくれた。
飲み終わったのを確認するとグラスをテーブルに置き
またそっと私をベッドに寝かせてくれた。