【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
春香さんが傍にくると
「結衣…ほんと良かった」
今度は春香さんに抱きしめられた。
「死ぬかと思ったよ」
「笑えない」
春香さんが涙を浮かべるから
頬の痣を指さして
「これ、バレた」肩を竦めたら
うんうんって頷いてた。
その後で私の頭をポンポンと叩き
「あんたキスマークにしちゃでかいのが首についてるね」
「そんなにひどい?」思わず吹き出しながら聞いた。
「どんなプレイしたのかと思うほどだ」なんて言われてがっくり。
「隼、手も?」
「あぁ。切られた」
春香さんは一度驚いた顔をしたあと
「手の傷は、ほっといても自分でつけるからわからなかったよ」
そう言って笑いながら包帯の巻かれた手を撫でた。
「結衣ちゃんは、ここでゆっくりしてろ。俺も春香もここに来る。司も終わった来るだろうし、隼のとこでみんなでいろいろ話せばいい。奏もいてくれるし、隼より愛想がいいから面白いぞ」
大和さんの話でやっぱり奏くんなんだとわかった。