【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


春香さんが傍にくると


「結衣…ほんと良かった」

今度は春香さんに抱きしめられた。


「死ぬかと思ったよ」


「笑えない」

春香さんが涙を浮かべるから


頬の痣を指さして


「これ、バレた」肩を竦めたら


うんうんって頷いてた。



その後で私の頭をポンポンと叩き


「あんたキスマークにしちゃでかいのが首についてるね」


「そんなにひどい?」思わず吹き出しながら聞いた。


「どんなプレイしたのかと思うほどだ」なんて言われてがっくり。


「隼、手も?」


「あぁ。切られた」


春香さんは一度驚いた顔をしたあと


「手の傷は、ほっといても自分でつけるからわからなかったよ」


そう言って笑いながら包帯の巻かれた手を撫でた。


「結衣ちゃんは、ここでゆっくりしてろ。俺も春香もここに来る。司も終わった来るだろうし、隼のとこでみんなでいろいろ話せばいい。奏もいてくれるし、隼より愛想がいいから面白いぞ」


大和さんの話でやっぱり奏くんなんだとわかった。


< 142 / 363 >

この作品をシェア

pagetop