【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
食事が終わると春香さんと大和さんは、帰って行った。
「どっちもお風呂入れるわよ」由香里さんに声をかけられ
「お風呂2つもあるんだ」
「もっとある。俺らのいるとこが2つ」
何でもないように答えてくれたけど、家にお風呂は1つと思って育ってきた私にはびっくりだ。
隼の後をついていきまた隼の部屋へ戻った。
長い足でスタスタとかっこよく歩く隼を小走りで追いかける私。
途中で気づいてゆっくりと歩いてくれたのが嬉しいけれど何だか悔しい。
「私の着替えって…」
「隣が結衣の部屋だ。そっちにあるんじゃねぇか?」
「そうなの?」
立ちあがり右を指さすと
「あぁ」と言ってついてきてくれた。
ドアをあけるとパチンと隼が電気をつけてくれて
広い洋室の奥を指さすので、そのまま歩いていき、綺麗な装飾のほどこされた引き戸を開けると中はウォークインクローゼットだった。
広いのに少ししかスペースを必要としない私の洋服がかかっている。
引き出しの中には、下着や靴下まで綺麗に整理されていて
眠っていて申し訳ないと思った。
ランチごちそうして許してもらおう…。
部屋に戻るとドレッサーや可愛いスツールが並び
私の両親の写真と位牌が並んでいた。
「立ち止まり、心配かけてごめん」両親と祖母の写真に向かって手を合わせると
隼も手を合わせていた。