【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


そのときスマホが鳴って


つーぴょんと表示が現れた。


メールを開くと


寝てるかな?

落ち着いたか?

顔を見に行きたかったけど、遅くなっちゃったから明日行くね。

ゆっくり寝ててくれる事を願う。



そう書いてあった。



私は司に電話をかけた。


すぐに出てくれて


「起きてたか?」


「うん」


「大丈夫か?」


「うん。心配かけてごめんね。大丈夫だよ」


「痛いとこはないか?」


「喉がまだちょっと痛いけど声も出るようになったし大丈夫」


「手は大丈夫か?動かせるか?」


「あぁ。ちょっとジンジンっていうかズキズキするけど大丈夫」


「結衣の大丈夫は、あんま信用なくなったの覚えておけ」


「ひどい。でもほんと大丈夫」


「隼に何でも言えよ」


「うん」


司のあまりに心配そうな声に思わず吹き出しそうになる。



「お袋も、すげー形相で指示出しててな」クスクス笑いながら


「明日、うるさいと思うが許してやってくれ」と言ってた。


「佐和子さんにも大丈夫って伝えて。明日きちんとお礼言うけど」


「何か必要なものあるか?」


「ううん。司と佐和子さんの顔見れたら嬉しい」


「伝えておくよ」


「隼に食われんなよ」


「あはは、ないない」


「まぁ、こんな時に食う男でもないけど。」


「あははは」


「隼がいると安心するだろ?」


「うん。不思議なぐらい。司と話してても落ち着くよ」


「そうか。ゆっくり寝ろ。もう大丈夫だ」


「ありがとう。司と佐和子さんもそうしてね。おやすみなさい」


「おやすみ」



優しい司との会話で、また心が落ち着いた。


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