【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
「見てよ、この手」
左の手を見せると手の甲にはいくつもの細かい傷。
「バラの棘や、細かい枝、それにラッピングのセロファンとか手荒れもするし傷だらけなの。ほらほら、これなんか何かわらかないのに花鋏で自分の手を切った。もう跡だって先についてるから大丈夫」笑いながら言うと
「花屋って危ないんだな」
「やくざの隼に言われるとは思わなかった」
「チッ」って舌打ちして
「寝るまでいてやるから」
優しく私の頭を撫でた。
「大丈夫だよ」
「結衣の大丈夫は信用しねー」
「さっき司にも言われた」
「話したか?」
「うん。みんなに心配かけた」
「じゃあ眠って元気取り戻せ」そう言って
「おい、少しつめろ」
私の隣へ寝転ぶ気だ。
眠りたいのに眠れない状況から脱出すべく横へとずれた。
さっきも隼の横では眠れたから今度も眠れるはずだと思えたから。