【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


「親父、今日は結衣がみんなに酌をしてまわった」


「ほぉ。それはどうしてなんだい?」


「お疲れ様っていうお礼です。一日頑張ってくれたお礼です。日頃お世話になっている人とか、仲良くしている人には、私たちの周りではそうやってお酌をしあったりします。でも、こっちのルールがわからなくて」


「結衣ちゃんのみんなへの感謝の気持ちなんだね」


「はい。響さんや隼の大事な家族に混ぜていただいているから」


「そうか。そうか」


その後で、今までの生活とここのルールで戸惑う事があるというのを伝えた。


食事の後に何もしないで席を立つのは気が引けるという点も伝えた。


私は生活費さえも受け取ってもらえない居候だ。


組員さんたちが家族であるならば、家族の分を洗うのも普通の事。


だけど、人数が多いと響さんはあまりいい顔をしない。


それでも、ゆっくりと私の話しを聞いて下さるから、人手もあるので邪魔にならないのなら手伝いたいということと私と隼の部屋ぐらいは掃除がしたいということを伝えた。
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