【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


部屋へ戻ると隼がいて


「なげー風呂」って笑ってたけど


やっぱりドライヤー持ってたから


ドレッサーの前に座って乾かしてもらった。



「今日ね、すごいいろいろあってさ、明日からどうしようかと思うんだよね」


「大丈夫だ、明日も何か楽しいこと見つかるよ」



「そうだといいな。由香里さんまだかな」


「いや、さっき会った」


「えーーー。奏くんは?」


「奏も帰ってきた」


私がお風呂に入っている間に2人とも帰ってきてしまっていた。


がっかりすると1人で行けるとこを自慢したかったのかなんて笑いながら


タイミングの合うときでいい。家族だと思うならなおのことそうしろと言われた。



もっとも、そうじゃなければ逆に気を使われるかもしれないので私は頷いた。




洗濯機は司が由香里さんに話しをしてくれてすぐに届く事になった。


乾燥機付きの最新型らしい。


今までので良かったのに、私が洗濯機まで行けないから申し訳ない事をしたと伝えれば、


「お袋が買ってやりたかったんだからそれでいい」


何とも隼的な発言だったけれど


「喜んでくれたらそれが嬉しいもんだ」


その言葉は私もわかる。だから感謝しながら毎日使わせてもらうことにした。


だけどテレビは隼がどうしてもダメだと言う。


司が春香さんに聞いてくれたら持ってきたというがどこにあるかも教えてくれない。


そう見る事もなかったけれど退屈凌ぎにはいいと思う。


それでもどんなに言っても部屋に置くことは許してくれず、


「見るなら俺の部屋で見ろ」と言われた。


それ以上言うと睨むからもう諦めた。



髪の毛が乾くと隼はもう当然のように私のベッドで横になり、


私も安心だから怒らない。


今日は疲れた。




「おやすみ隼」


「あぁ結衣おやすみ」


目を閉じたらまた額にチュッってされたけど


何も考えずに目を閉じられるのは、やっぱり隼がいてくれるからなんだと思う。




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