【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


お風呂からあがると「立てるか?」


そっと隼がおろしてくれた。


何かカクカクしてるけど、少しなら立っていられる。


由香里さんが買ってくれたピンクのバスローブを私に着せてくれて


隼は私を支えながらお揃いのバスローブに袖を通した。



だけどすぐにまた私を抱きかかえて部屋に戻りベッドに寝かせ


「待ってろ」と言って部屋を出て行ったけど


期待を裏切らずにドライヤーを手にして戻ってきた。



コンセントを挿すと当然のようにまた私を抱き上げ膝に座らせる。


そして楽しそうに髪を乾かし始めた。


「ねぇ隼」


「ん?」


「腰に力が入らなくなることって世の中にはいろいろあるんだね」


私が思わず笑うと


「そのうち2つを体験したか」


隼も笑っている。


私の髪が乾くとまたそっとベッドへ降ろし


隼は自分の髪を乾かしていた。


その姿をじっと見ていたら


「あんまり見るなよ」なんて照れていて


「恥ずかしいでしょ?私だって匂いかがれるの恥ずかしいんだよ」


「仕方ねぇだろ。いい匂いなんだ」


「仕方ないでしょ。スキなんだから」


「結衣、まだ足りねぇのか?」


意地悪い顔をするから慌てて


「十分過ぎるほど足りております」


相当顔がひきつっていたらしい。



< 296 / 363 >

この作品をシェア

pagetop