【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
「お疲れ様でした」
今日の仕事を終え、私は自宅への道へと足を進めた。
歩きながら
冷蔵庫にビールがなかったな…。
帰り道の酒屋さんまだ開いてるかな…。
ギリかな。
コンビニで買うには違う道を通らなければならず
これは賭けだななんて思いながら少し急ぎ足になる。
「あ…セーフかな」
酒屋さんのシャッターは半分までおりていて慌てて中へ入ると
「おじさんこんばんは。ビールいい?」
「いいよ。今帰りか?」
「はい。閉まってたらどうしようかと思った」
笑いながらビールが3缶入った白いビニールを手渡され
お金を払って店を出た。
「おやすみ」というおじさんの声とともにシャッターが卸され
私は一歩二歩と歩き始めた。