【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
いつもの日常が始まり隼の支度を手伝うと玄関で見送り
私は部屋の掃除や洗濯をし、組員さんたちと楽しく過ごした。
ラ・フルールへも戻りたい気持ちも大きい。
ここの生活に不満があるわけではなく
大丈夫なのであれば、元の生活へ戻らなければならない。
戻ったからといって隼と終わりになるわけではないけれど、元の生活が待ち遠しくもあり淋しくも思った。
響さんに結末を聞き、私の身に及ぶ危険がなくなったのであれば、すぐに動き始めなければならない。
詳細を聞かずとも、もう大丈夫かも聞かないのは、そんな日を一日でも先送りにしたいのかもしれない。
口に出せないままでいることで、楽しい生活は毎日続き、あの夜の猿ほどの襲撃にはあわないが
時々は鍵を閉めて寝ようという危機感を覚えることもあった。
それでも幸せを感じながら月日は流れた。
隼のそばにいたい。
そんな気持ちが私の踏ん切りを鈍らせているのかもしれない。
隼の事がどんなにスキでも、極道の女が良くわからない。
腹をくくる意味もどうくくればいいのかも良くわからない。
隼からそれについて聞かれることもなく、せかされることもない
一緒にいられることが幸せでそれ以外の事は考えていなかった。
隼がいてくれるだけで感じられる幸せと安心感。
私はもう手放せそうもない。