【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀


パタパタと走っていると襖がさっと開き


「結衣さんここ。入って」


三浦さんがいた。


「結衣さん良く聞いてくだせぇよ。組員たちを信じてくれやすかい?」


「もちろん信じてますよ」


「それなら最後まで信じてくだせぇよ。そして逃げきってくだせぇ。いいですかGOと声をかけたらそこの開いてる窓から中庭へ逃げて」


「え?」


「三浦の部屋じゃない?」


パタンパタンと襖の開く音が聞こえてきた。


「GO!」


三浦さんの声で私は中庭へ飛び出した。


すると「結衣さんこっち」近くのガラス戸があいた。


榊さんだ。



「信じてくださいよ。必ず守りますんで逃げぬいてくだせぇ」


「な…何が起こってるんですか」


「それ、後。いいですかい合図したら襖をあけて左に走ってくだせぇ。振り返らず全力疾走ですよ」


「はい。信じて走りぬきます」


パタパタまた足音がどこかでしている。


「行って!」


その声で襖をあけて左に思い切り走った。

どこなんだろ


自分がどこにいるのかまったくわからないけど走るしかない。



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