【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
「お気に召していただけましたでしょうか」
「もちろん。長期休暇だったけど継続しましょ」
人差し指を可愛らしく動かす由香里さんに
「ありがとうございます」とお礼を言った。
私の肩を由香里さんが抱き
「結衣ちゃんの活けた花との出会いが最初だったわね」
「そうですね。緊張して活けたのを覚えています」
「それが私の娘になるんですものね」
「はい」
「結衣さん養女になられる事に?」
「バカ、隼の嫁だよ」
「娘っていうからてっきり。若、結衣さんおめでとうございます」
黒埼さんの間違いに可笑しくなったけれど
「隼の嫁でも私には娘だよね。結衣ちゃん」
「はい。お母さん」
「ちょっと聞いた?すごい幸せなんだけど~」
隼はチッとかまた舌うちしてたけど
お母さんってまた口に出来ることは嬉しかった。
小さい頃からすごく憧れていた言葉だったから。