【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
エアー彼氏…
春香さんには何もかも話しているけれど
私にも乙女チックに恋をした時があってそれがいささか傷が深かった。
私…フラれたんだ…
そう気づくまで…ううん。受け止めるまで時間がかかった。
元気でね。
笑顔で手をふって帰っていく背中を茫然とみつめるだけで
どうやって家に帰ったのかも憶えていない。
おはよう。何してる?
今日はどこで待ち合わせする?
そんなメールを待ってた。
冗談だよ。びっくりした?
そう言って笑ってかかってくる電話を待った。
でもわたしの携帯にあの人からの連絡がくることはもうなかった。
だって、この間の日曜まで
結衣は可愛いな。変わるなよ。
結衣大好きだよ。
そう言っていたのに。
「結衣のことは今でもスキだけど何か違うんだ」
そんな言葉…
初めて大人のような恋愛をした17歳の私には理解できなかった。