交換日記。~また会おうね。~
驚いて声が出ない私に、天使が囁いた。
「1度だけ、悠くんに逢わせてあげようか?」
「……え?」
何がなんだか分からずにいると、天使は自らの両手を近づけた。
その間から、よく見慣れた悠との交換ノートが現れる。
「このノートには、愛が溢れているね。僕は、キミが生きている頃からキミたちのことを気に入っていたんだ。」
だから、あんな別れ方は悲しくて、と顔を歪めた天使。
「それなら、私を死なせないで欲しかった。」
思わず、素直な気持ちが口から出た。
それに対して、天使は静かに首を振った。
「キミがあの場所で死ぬことは、決まっていたんだ。天使だからといって、運命を変えることは出来ないんだよ。」
「そんな…」
「でもね、僕は思ったんだ。」
これを見て、といって私にノートを手渡した。
よく理解出来ないまま、ノートをパラパラと捲る。
「これ…。」
最後のページに、悠の筆跡で
“もう一度、めいに会いたい”
と書かれていた。