【BL】切恋のあと…



次の日は生憎の雨だった。



大学のキャンパスを歩きながら、ぼんやりと窓の外を見る。



今頃、振られているんだろうか。


明日、なんて声を掛けようか。


色々と、らしくなく考えた。


でもその思考は唐突に停止した。


窓の外に居るはずのない奴を見つけて、俺は思わず走り出した。


どうして、ここにいる?



俺は、勢いのままソイツの肩を掴んだ。



「きゃ!?」
「お前、なんでここにいる?」
「な、何ですか、一体…」
「何でいるんだよ?だってお前はアイツと会ってるはずだろ?」



俺の言葉で、彼女は気付いたようで。


迷惑そうな表情を見せた。



「ああ、アイツの友達?行くわけないじゃん。面倒臭い。ああいう弱い奴、大嫌いなのよ。」



弱い?


誰が?


あいつが?



「どこだよ……」
「え?」
「どこで会う約束してたんだよ!?」



ビクッと女は肩を竦めた。



「三条駅前だけど…」


小さい呟きを聞いて、俺は走り出した。


< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop