【BL】切恋のあと…
「あ、のさ…さすがに恥ずかしいんだけど」
「うるさい。お前が馬鹿だから悪いんだ。」
「……何、それ。」
「………そんなにあの女が好きだったのか?」
俺の問いにコイツはなかなか答えなかった。
それが何故だか悔しかった。
こんなに悲しい顔をさせるあの女に、
俺は、勝てない。
それが悔しかった。
「なぁ…お前は、らしくないって笑うかもしれないけど」
「うん?」
「――好きだ。」
「………え」
「俺は、お前が好きだよ。」
腕の中のコイツをまっすぐ見つめ、告げたら……
見る見るうちに顔が赤くなっていった。
「ほんと、変……。」
小さく呟くと顔を伏せてしまった。
「けど、不思議だ。さっきまで落ち込んでたのに、今は嬉しいって思いしかない。」
そう言って上げられた顔は、俺の好きなコイツの笑顔だった。
だから思わず、俺も笑ってしまった。
「その顔、反則だと思うんだけど…」
「その顔って?」
聞き返せば、何でもないと返ってくる。
「で、俺は返事もらえないのか?」
「え、今すぐ?」
「俺じゃ不満か?」
「そういうのじゃなくて。ほら、やっぱ俺達男同士だし。色々……」
ぐだぐだと文句を言うもんだから、唇を塞いでやった。
重なった唇は柔らかかった。
「……俺はお前の気持ちだけ聞きたい。」
「……こ、こんな事するキャラじゃないよね?」
「本気で好きな奴前にして、キャラとか関係ないだろ。で?」
そしてコイツは、顔を真っ赤にさせながら
「……俺もたぶん好き。でも少しだけ時間が欲しい。気持ちを整理してから、ちゃんと向き合いたい。」
そう言った。
―end―