蒼い星~あなたを抱きしめたい~
「お母さん?入ってください」先生の冷静な声がママを呼ぶ。
「しつれいします。」ママの声も自然と冷静になった。
「結論から言わせていただきます。りいなちゃんの中には赤ちゃんがいます。」
ママの目に涙が浮かんだ。
「そ、そうですか…」
震えた声。始めてこんな声を聞いた。私…ママを悲しませちゃった…
「ママ?私おろすよ? 産んでも、幸せに出来ない。苦しめるだけだもん。
ママになんて私なれないもん。」
自分の意思を伝えた。
私、なんて事するんだろう…罪悪感だけが心に残った。
「そうだね。そうしよう。」いつもの強いママが弱く見えた。
「では、こちらの同意書を記入して明日にでも届けてください。手術は一週間後。
早い方が良いでしょう。」
先生は冷たい表情で言った。
「はい。」「わかりました」
ママは泣いていた。
私はお腹の子にひたすら謝った。
許されないと知っていながら…
~私の中にいる赤ちゃん。ごめんなさい。本当にごめんなさい。~