お姫様
「誰よりも長く弥殊を想い続けてる」
それだけは自信がある。
遠回りばかりしたけど。
もう絶対他の奴なんて紹介したくない。
俺が弥殊を幸せにする。
「小さい頃からずっと弥殊が好きだった」
弥殊の目を真っすぐ見て、はっきり言う。
「え?」
弥殊が一瞬固まって俺を見る。
大きく息を吸って。
最後の仲介。
「男子バスケ部で、弥殊の隣に住んでる海陸晋一君」
「え?」
目を丸くして俺を見る。
いつもの笑顔で言うんだ。
自信を持って。
「超オススメ物件」
弥殊の瞳から涙がまた溢れる。
俺は誰よりも弥殊が好きで。
誰よりも弥殊を幸せにしたいと思った。
「好きだよ、弥殊。誰よりもきっと」
弥殊に向けて最高の笑顔を向ける。
弥殊が泣きながら笑う。
そしてゆっくり口を開く。
心臓が高鳴る。
「あたしも晋ちゃんが好きです」
弥殊の言葉を聞いて、さらに心臓は高鳴って。
満点の星の下、俺は姫と初めてのキスをした。