お姫様
「あんたさぁ、弥殊が好きなんでしょ?」
弥殊が俺の親友、中谷と付き合いだした頃。
突然弥殊の友達、池端羽月に聞かれる。
「は?」
平常を装って聞き返す。
池端は倉庫での作業を続けながら言った。
「弥殊しか見てないじゃん。ばればれ」
すべてを見透かされてる。
そんな気がして俺は黙り込んでしまう。
「何で弥殊に男紹介するの?好きなくせに」
何でって…。
弥殊は可愛いし、性格いいし。
俺なんかじゃ釣り合わないって解ってるから。
姫の王子を見つけるのが俺の役目なんだから。