剣と拳
『首?』


ごくりっ……。


『く、くっ、首ぃ~~!』


後ろを見ると、首がなくなった騎士が倒れていた。


『なんだなんだなんだぁ~~!なんで首持ってんだよぉ~!』


『お前、何した?』


相変わらず冷静な奴だなぁ。


『知るかよ!俺が聞きてぇよ!』


『ふむ、まさか……な。……飛ばすぞ。』


『うわっ!早ぇ!』


馬はみるみる戦場を離れて行く。なんで始めから急がないんだ。


そして、戦場を見渡せる小高い丘の上に来た。


『降りろ。陣に着いた。』


『えっ?あぁ。よいっしょっと、馬の背中って結構高いな。』


『馬?』


『馬だよ。う・ま!今乗ってるじゃん。』


『そんな生き物はいない。』


『だってこれ馬………、じゃ、ねぇな。………馬じゃねぇじゃん!』


今まで馬だと思ってた生き物は、よく見ると馬じゃなかった。
いや、冷静だったら一目でわかっただろう。
パニックだった俺は馬だと思い込んでいた。


『なんだ?この生き物は。』


その生き物は、形は馬のようだった。だが、明らかに違う箇所がある。
それは、顔が鳥だ!
まるで神話の、翼のないグリフォンの様だ。

『馬鷲?鷲馬?』


『ヴァルマだ。』


『ばるま?』


『違う。ヴァルマ…だ。』

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