グレープフルーツ
「ん?どうした?」

「名前で呼んでいい?これから三年よろしくするんだし“渋谷君”じゃいつまでたっても堅っ苦しいでしょ?」

「あぁ、じゃあ優助でいいよ」

「そんじゃあたしは夏南でいいよ、優助☆」

「三年間よろしくな、夏南!!」



「夏南、ソレ重いだろ?俺が持つよ。」

「あ、ありがと~優助」

試合が終わった後、名前で呼び合うあたし達をみて賢太がびっくりしてたっけな…

「…な…夏南!!」

「うわっ!?何?」

「何じゃねぇよ!なんか二人とも自分の世界に飛びやがって。」

この短い猫っ毛の髪の子は、中原 賢太(なかはら けんた)。

幼小中高ずぅーーーーーーーーーーーっと一緒の良く言えば幼馴染、悪く言えば腐れ縁。

でも、あたしの恋の相談相手。

「一人置いていかれたからって、はぶててんじゃねぇよ!」

で、このさらさらで茶髪の子が…別に染めてるわけじゃないからね!元からだよ?元から
…まぁこの子が、渋谷 優助(しぶや ゆうすけ)。

同じバスケ部仲間で……あたしの好きな人…。

「はぶててねぇし!!」

「そのムキになるところがあやしいんだよ。  なぁ、夏南?」

「なぁ、優助。」

「うわ!うっぜぇ、何なんだよお前らは!!

キーン  コーン  カーン コーン ・・・

「あ、昼休み終わっちゃったよ。」

「ほら行くぞ!二人とも!!」

「あはは、何プリプリしてんの賢太。ごめんって!!」

「ふ~んだ。」
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