二度と聴けない愛のうた
結局その日、優香は一度も口を聞いてくれず。(話すタイミングがなかった。)

放課後になってしまった。

もちろん、口を利いていないので
ギターと歌の特訓もないであろう。

でも、どうしても優香の声が聞きたくて

そこらじゅう探し回った。


結果。
海にいた。

「ふぅー。居た……。」

歌っていた、昨日あげた
デモの曲だ。

「………きれい。」


「ほんっと、お上手ですね。」

俺は優香に近づいて話しかけた。

『けっ!賢人!!??』

「そんな、驚かなくても…(笑)」

『…ごめん……』

そう呟いて、優香はまたギターを弾き始めた。

< 30 / 32 >

この作品をシェア

pagetop