僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



読み終わると、手紙の上に雫がポタポタ落ちた。




「おかあ……さん……」




久しぶりにあのときのように声をあげて泣いた。



そんな俺を涙目になりながら、背中をさすってくれた奈緒。



その温かさが余計に涙を溢れさせた。



そんな俺たちを見ながら鼻をすすっていた父親。



純粋で何も知らなかったあの頃に戻ったみたいだった……



涙も止まり、少し落ち着いた頃だった。




「遥希、事務所が裏で手を回していたことは知っているよな。」




俺の全てを壊されたきっかけだ。



今思い出しても、胸をナイフでえぐられるような感じだ。




「実はな、そのこと俺知っていたんだ。」



「は……?どういうことだよ……」



「社長が全部教えてくれたんだよ。お前と今後のことを社長と渡部さんと話したときだよ。」






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